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9月。

秋雨。

 

気づけば、お気に入りの長袖のシャツにミニスカートとタイツ

そしてバレエシューズを足元に纏う、大好きな季節がやってきた。

たった3日前まではあんなに蒸し暑かったのに、

数日の差でこんなにも心地の良い季節に足を踏み入れられるよろこびよ。

 

今週はなんだか長ーい、けれどもとても幸せと充実で満ちていた1週間だった。

 

いつ始まったのか覚えていないこの一区切りの週だけれど、

ひとことで言えば、ずっと仕事をしていた期間だった。

(私にしてはめずらしく。)

 

2週間前に催事をしていて

それが終わったと思えばもう次の催事の準備。

文字通り、息つく暇も無い。

 

しかも地方でやるために期間中に追加で作ることも

難しいから、一気に大量の仕込みを絶えずしていた。

 

そして時期的には年に2度目の英検のシーズン。

生徒さんたちはこれに向けてこつこつと日々の勉強を頑張っている。

それを思うと放っておくことはとてもできず、

日中の仕事にも追われつつ、夜のお仕事もありがたいことに連日毎日いただいている状況だった。

 

それなのに、日々幸せを感じて生きている。

それってすごいことだ。

 

知らないけれど

世の中の大半の人が職場の環境や人間関係、仕事そのものに嫌悪感を抱きながら

日々その仕事に追われている。

 

たぶん、満足して自分の職を選べている人って

一握りなんじゃ無いかしら。

知らないけれど。

 

自分はその、一握りの中で

自分の日々の仕事にやりがいを持ち、誇りを持ち

終えた後には幸せだな〜と心地の良い疲労とともに1日に幕を閉じる。

今ここにたどり着けたのは過去の失敗や人にかけた迷惑

周りの人が差し伸べてくれた数多の手。

こんなにも「有り難し」な環境に恵まれていることに

改めて感謝をし、そして恩返しとしての精進をしていきたいと思った。

 

 

そうそう、確かに働きづめの毎日だったけど

こんなにも幸せを感じたのは着々と秋の楽しみを深めることをいくつかしていたからかしら。

 

秋のアイシャドウを買って、テラコッタメイクを試したり(化粧を楽しむのいつぶりかしら。さすが秋。)

ずっと欲しいなと思っていた形の靴にやっと巡り合ってお持ち帰りしたり、

大好きな美術館の来日企画展のチケットを買ったり

10月、11月の楽しい予定がいくつか具体化して行ったり。

少し先だけど、クリスマスの飾り付けのことを考え始めたりもした。

 

うん、やっぱり私は秋と冬が大好き。

あの空気感を思い出すだけで、胸がときめいてしまう。

 

これから数週間ぶち当たる台風による気圧の変化にはなかなか

苦しめられる気がするけれど

それを超えればもう世界は私のものといったところ。

 

今日ももう、この雨の肌寒さから

先走って冬に食べたいプディング、スティッキートフィープディングを焼いている。

 

雨のおとに

オーブンから香る紅茶とブラウンシュガーのコクのある甘い香り。

これぞ、秋。

今日はワンピースに長靴はいて

大好きな場所でお茶をする。

 

夜には朝倉先生の診察。きっとまたただの栄養指導で終わるかしら。