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 2020年が始まって、ようやく初めての旅に出る事ができた。

 

何度も書いているけれど

本当ならば、イギリスに滞在して

スコットランドにも初めて降り立って

大好きなラスとパトリシアに会いに行って

できるなら北欧の未踏の国にも少し立ち寄って

そんな事思い描きながら、妄想と貯金を進めていた2020年。

 

その夢と楽しみは、ウイルスの拡大によって阻まれてしまった。

 

6月、一度国内の感染者が落ち着いた頃に彼と

夏休みを合わせてとって近場で温泉に行けたら良いね〜、

そんなふうに話をしていた。

 

7月の終わり頃から再び感染者数がどんどんと増えてきて

うーん、どうすべきかな、悩む日々だった。

 

目的地はふわっと決めていたけれど

行くと言う決断、実は心の中で煮えきらず、

控えた方がいいのかな〜とずっと考えていた。

 

しかし最終的には、車で気をつけるならいいんじゃない?と言う複数の友達の言葉や

彼の判断に委ねていたところもあって

今回の旅行は、車で、人との接触を気をつけえながら、決行した。

 

 

 

今週の日記は、長野県で過ごした幸せな4日間のことを。

(最高すぎて週の前半3日間の記憶がない。)

 

☺︎ 1・2泊目を過ごしたペンション

山や鳥、自然好きの友達におすすめしてもらった乗鞍高原

まずこの高原で涼やかな夏を過ごすことを決めて、

その後滞在先をリサーチした。

そこで見つけた一つの小さな可愛らしいペンション。

お宿の名前もスイスの地名からついていて、

宿の中には至るところにアルプスの写真やスイスの民族衣装、楽器が。

窓際に可愛く飾られた鮮やかなお花が目立つ外観も

木造りで温もりを感じられるお部屋の内装も

いったことはないけれど、スイスの温かい家族に迎え入れてもらっているような

そんな最高のペンションだった。

 

シャイなお父さんの作ってくださる料理の不思議な懐かしさ、

おしゃべりなお母さんがそれぞれの品をサーブしてくれるそのタイミングの良さ、

全てが完璧で、こじんまりとした最高のおもてなしを受けているような気持ちになれた。

 

朝の散歩は鳥のさえずりも

新鮮な空気も、心を洗ってくれた。

夜は、宿の目の前に出ただけで

空を見上げると、天の川が広がっていた。

彼はあっさりと二度も流星を目にしたらしい。

そんなことを聞いてしまうと、私だって見たい!子どものような気持ちが動き出した。

旅の中、いつものように、あるいはいつも以上に優しい彼は

そんな私のわがままにも付き合ってくれた。そして

私も念願の流れ星。

あんなに濃く流れ星を見たのはいつぶりだったかしら。

小学生の頃に訪れた石垣島で島全体がダウンライトされていたあの夜。

天の川がはっきり見えたことは覚えているけれど、

流星は見なかったかな、

そう思うとこうやってはっきりと流星を見れたのは

もしかしたら物心ついてからは初めての出来事だったのかも。

 

満点の星空、肩にかかる高原らしい少し冷たい夜の風

そんな山の中でキスをしたのは

これまでの私たち史上で一番ロマンチックな出来事になった。

 

このご時世、と言うこともあり

宿泊客は私たちだけ。

 

本当にそう言う境遇を味合わされている宿や旅館の経営者の方々は

大きな痛手を負っていると思うけれど、

そんなことを考えさせる余地もないくらいに

私たちに温かいおもてなしをしてくれた。

しかも木造りの素敵なペンションを貸切のような形で使わせていただいたこと、

本当に一生味わえない

今年だからこそ、な思い出になった。

 

☺︎ 上高地

☺︎ きじ、さる、

☺︎ 自分が育ってきた環境☺︎ 丁寧に作られたお食事、彩豊かなテーブル

 

今日はもう疲れてダウン、

明日からまた少しずつ振り返りつつ、

思い出を噛みしめていく

 

8/26

追記

 

☺︎ 上高地

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☺︎ きじ、さる

旅の中ではたくさんの動植物に出会ってきたけれど、今回道路上では2つの動物に遭遇した。

ひとつはきじ。

キジをわざわざ書き残そうと思ったのは、心配の気持ちが拭えないから。

 

飛ぶのが苦手なはずのきじ。

なぜか道路脇から飛んできて

前の車の天井に衝突。

その勢いで跳ねて、地面に打ち付けられる瞬間を目の当たりにした。

一瞬血の気が引いたけれど、

運転している彼もその様子に一瞬で気がついて道路に降りたキジをうまくかわして運転してくれた。

少し間違えていればあそこで引いてしまっていたのかも。

 

キジの上を通り過ぎた後、振り返ってみると

なんとか体を起こし、足を痛そうにしながら

道路脇に身を寄せようとする姿までは見届ける事ができた。

 

ただ、そのあとはわからない。

もしもあの時におった怪我が大きいものだったら。

そう思うとひどく心が痛むけれど、どうにか無事であって欲しい。

可愛いあなたに出会えてよかったよ、どうか無事でいてね。

 

最終日は道路でニホンザルを発見。

遠くから、何か茶色い動物のお尻が見えるなあと目で追っていたら

なんとも愛おしいおさるさんのお尻だった。

ああ、山の中にお邪魔させてもらっているんだなと旅行中何度も何度も

感じたけれど、特にこの瞬間もその感覚を強く味わった。

 

☺︎ 自分が育ってきた環境

これに感謝をしたくなった旅だった。

私はあらゆる動物が好きだ。

好き、と言うより全ての動物に対して平等でいたい、そうした強い気持ちをもっていると思う。

 

どんなに小さな虫も

人に嫌われるような虫も

多くの人に可愛いと言われるもふもふした動物も

隔てなく愛を注いで生きている。

 

周りの人には少し嫌がられるくらい虫のことも好きで

全く嫌悪を抱く事ができない。

 

今回の旅では、本当に多くの虫が常にそばにいる状態だった。

多くの女性であれば、こんなところもう嫌だ、なんて言う状況だったかも。

 

私はそういうふうに一切思う事ができないタチなので

虫のいる宿でも山でも道でも温泉でもへっちゃらだった。

 

私をこんなふうに、虫と友達のような感覚を持てるようにさせてくれたのは

他でもない、兄と父のおかげだ。

 

小さい頃から虫の関心が強かった兄の影響で

いろんな虫を見ることに私も興味があったし、

気持ち悪いと言う感覚が芽生える前に虫を見慣れ触り慣れてしまったんだと思う。

 

時々人に気持ち悪がられるけれど

どんな虫のことも、命を大切にしようとして

潰すようなことはせず

見つければそっと外に追いやって、

そんなふうに虫の命も大切にできる自分になれたことを私は嬉しく思う。

 

虫に始まり、とにかく兄と父のおかげであらゆる自然のものがすきだ。

植物も、動物も、池も川も山も。

何もかも神秘的な要素が詰まっていて、とにかく尊い

この4日間では、普段はパッと頭に浮かぶことのない「尊い」と言う言葉

何度も自然に心の中で溢れた。

 

広大な湖を見ても、そびえ立つ木々を見ても、透き通る川を見ても

尊い尊い

山の岩肌を見ても、大人になりかけているお玉杓子を見ても、とにかく尊い

 

自然に人間は絶対に勝てないと思う。

小さい頃から家族が何度も近くで言っていたこと、

大人になってどっぷり自然に浸かる久しぶりの旅で

身にしみて実感した。

 

視界に入ってくるいろんな鳥の種類がすぐわかることで彼に驚かれて

私自身も、あ私鳥の種類結構知っているなと心の中で少し驚いた。

 

意識しないところで、自然にたくさん触れ合わせてくれた

幼少期からの経験が身について、生きて、今を楽しくさせてくれた。

 

自然に触れる機会をたくさん与えてくれながら子育てをしてくれた家族に改めて感謝をしたくなった旅だった。

 

 

☺︎ 丁寧に作られたお食事、彩豊かなテーブル

この旅の中ではたまらなく美味しい食事をたらふくいただいた。

なんせ私と彼の大きな共通の趣味は美味しい味を見つけること。

誰と旅に出ても食べる事が大きなメインイベントになる。

だけれども彼と私の場合、それ以上に食事の時間は意味のあるものだから

今回は出発前から食べたいものにはしっかりと目をつけていた。

 

最終日は、ペンションではなく旅館に宿泊し、

そこでのお食事は、サービスを含め本当に良い時間をプレゼントしてもらえたようなものだった。

ひとつ一つの素材の味が丁寧に引き立たされ

また食材のカットの仕方、色合いの取り方ひとつ一つの細かいこだわりが伝わってくるものだった。

 

この時に改めて感じ、思わず口に出してしまった事がある。

丁寧に作られたものは、本当に美味しいね。

なんの変哲もない面白みのない事。当たり前のこと。

でも実現が難しいし

生活の中で実感できる機会はなかなかないことでもある。

 

思わずこんな言葉をくちにしてしまうほど

彩へのこだわりに重きをおかれたお食事は

本当に腹も口も心も何もかもを満たしてくれる。

 

当たり前だけれども、改めて

 

食べてくれる人のことを考えて丁寧にお菓子作りに励んでいきたい。

 

自分の好きなものこれからも大切にしたいものが

くっきり彫られて眼に見えるようになった

そんな最高の4日間の長野旅だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い出した、

夜に大好きな先輩たちと久々に再会した日もあった!

4人で集まる、他ではないあの空気感。

帰りたくない、と言う私が普段滅多に抱かない感情を持ってしまうほどに

絶えず笑って最高の時間を過ごす事ができた。

 

人生、一つ一つのピースが愛おしいな。

そんなふうに思える、きっと今年で一番の1週間だ。